更新:2020年4月15日(水)
小学校で習う算数、その中でも九九は最初に迎える正念場だと思います。
九九を授業で習い始めるのは小学二年生の二学期からですが、早めに勉強を始めているお子さんも多いのではないでしょうか。
ご心配の親御さんも決して珍しくないと思います。
うちの子供は小学二年生のゴールデンウィーク中、ちょっと工夫した方法で教えました。
この方法が良かったのか一週間ほどで覚える事ができました。
今回は、この九九を教えた方法について紹介したいと思います。
九九の覚え方は様々な方法があります。お子さんの適性も考慮が必要です。
ぜひ親御さんの方で良くご検討の上、お子さんへの教え方を選んであげて下さい。
学習で使う九九の表について
九九 を教えるにあたりお手製の表を作りました。
1枚目がこちら。「九九をおぼえよう」とします。
表の下にある数字は、上が格段ごとの覚える個数です。下がその段を含めた残りの数を表しています。
詳しくは後ほど記載します。
2枚目がこちら「九九もんだい」です。
これらの「九九をおぼえよう」「九九もんだい」二つの表を使って、九九を教えました。
学習する過程でもう一枚追加します。こちらは説明の中で紹介します。
「九九をおぼえよう」 の説明
「九九をおぼえよう」は、九九を覚える際に使用します。
九九が難しいところは、丸暗記する項目が81あるここと。
81の九九を全て暗記することは、小学二年生のこどもには大変な負担です。
「九九をおぼえよう」は、右上半分がななめに網かけになっており、左下赤枠内の色がついた部分を中心に使います。
以下のように、まず赤枠内を憶えます。
例えば “2 x 5” と “5 x 2” や “7 × 8” と “8 × 7” は本来同じ掛け算です。当然答えも同じです。
( 昨今の教科書ではこの説明に異論もあるようですが… )
九九を習うと誰もが気がつく事ですが、 “8 × 7” を忘れてしまった際に “7 × 8” の答えが分かれば良いわけです。
まず最低限憶えないといけない範囲に絞ります。
そして ( 学習状況にもよりますが ) 1の段は自然と覚えている場合が多いのではぶきます。
この時点で81問が、一気に36問に減りました。
覚える項目が36問であれは、こどもの心理的な負担がかなり少なくなります。
九九の全ての計算を暗唱できるようにするのが目標ですので、最終的には網かけ部分も含めて覚えます。
「九九もんだい」について
「九九もんだい」は暗唱する際に使用します。「九九をおぼえよう」と同様、赤枠内の色がついた部分を用います。
数式しか書いておらず、答えと九九の文言は書いていません。
丸暗記した文章を数式と紐付けずに唱えてしまうことを避けるため、必ずこの表の数式を見ながら九九を暗唱するようにします。
九九の覚え方 ( 習得までの6ステップ )
実際の学習ステップを記載します。
Step1「九九をおぼえよう」の左下半分の暗唱
先にも書きました通り、最初のステップは「九九をおぼえよう」の左下半分を覚えることです。ここは特に詳しく記載しておきます。
小さい数の段から順に覚える
小さな数の段から大きな数に向かって覚えていきます。
1の段を暗唱できるならば2の段から、2の段まで憶えているなら3の段からで良いでしょう。
大きい数になるに従い覚える数は減る
大きい数になるに従い難易度が上がると思いますが、逆に覚える数が少なくなって行きます。
特に 7・8・9 の段でつまずくことが多いように思いますが、どんどん覚える数は少なくなります。
むしろゴールが早く見えるため、やる気がでるはずですね。
「九九をおぼえよう」の具体的な使い方
「九九をおぼえよう」は下の画像の通り、上に数式、下に九九の文言が書いてます。
つまり、下半分を紙や指で隠しながら発声し、自習ができるようになっています。
ひとつの段を最初から最後まで覚えるまで、なんどもやりましょう。
「九九もんだい」をみて暗唱する
ひとつの段を覚えたら「九九もんだい」をみて暗唱します。
この表の数式を見ながら暗唱してもらい、親御さんが確認しましょう。
間違えたら「九九をおぼえよう」に戻ってやり直しましょう。
Step2「九九をおぼえよう」の左下半分と、右上半分を同時に暗唱
次のステップは、左下半分と右上半分を同時に暗唱します。
「九九をおぼえよう②」としておりますが、以下の表を用います。
この表では左下半分に、右上半分の反対側の九九が重ねて記載してしてあります。
つまり、暗唱をする際に続けて反対側の九九を唱えます。
例えば “しちはごじゅうろく” ( 7 × 8 ) に続いて “はちしちごじゅうろく” ( 7 × 8 )と 唱えます。
これも「九九をおぼえよう」と同様に覚えて、「九九もんだい」を用いて暗唱の練習をします。
Step3 九九を1段ごとに暗唱できる
ここまで来たら、次はいよいよ九九を1段ごとに暗唱します。
”Step2「九九をおぼえよう」の左下半分と、右上半分を同時に暗唱” をクリアした後なら、ゆっくりなら暗唱できてしまうかもしれません。
最終的には、1段を10秒での暗唱できることを目標とします。
Step4 九九を1行ごとに暗唱できる
縦方向に、1段ごとに暗唱できたら、次は横方向に、1行ごとに暗唱します。
縦方向の関連性を、横方向に繋げる為に、1行ごとの暗唱もできるようにします。
単なる口癖になってしまい、続けて唱えないと答えが出なくなることを避けるためにも、この行ごとの暗唱も必要だと思います。
最近では学校の授業にも取り入れられている様子です。
やはり最後は1段10秒ほどで暗唱できると良いでしょう。
Step5 九九のランダム問題に取り組む
九九はかけ数の問題に用いて、本当に使えると言えると思います。
Step5 として、算数ドリルを用いて一桁の掛け算問題を見ながら暗唱する練習をします。
サイト「算願」の九九ドリルを利用しよう
サイト「算願」( PDF算数・計算ドリルの算願 ) では、算数のドリルが無料で配布されております。 ( 無料での利用は個人利用に限りますのでご確認ください )
うちの子の場合も、九九のドリルは「算願」からダウンロードして利用しました。
参考 九九プリントのダウンロード | PDF計算ドリルの算願一桁はもちろん、二桁以上の掛け算の筆算や、文章問題などもたくさん配布されています。
市販のドリルでも良いと思いますが、せっかくですので、今回も利用しました。
81問九九ドリルの暗唱に挑戦
算願より、81問ドリルを選んで印刷します。
81問ドリルでは、九九の81問の問題が全てランダムに記載されています。
81問ドリルだけでも、400枚も配布されています。
なんどやっても足りないことはないでしょう。
このステップでは、回答を筆記するのではなく、ドリルを見て九九を暗唱するようにします。
Step6 九九の筆記回答問題を解く
同様に、81問ドリルを選んで印刷します。
このステップでは実際に筆記回答するようにします。
目標タイムを設定するよりも、正解率を重視してチェックしましょう。
お風呂の壁に貼る九九の表と、公文のドリル
先にも述べましたが、今回の学習を始める前に、お風呂場の壁に九九の表を貼り子供に読ませてました。
今回わりとスムーズに覚えることができたのは、少しずつでも九九に親しんでいたからではないかと思います。
お風呂に貼る九九の表
お風呂場に貼って使う、九九の表を紹介しておきます。
おふろでレッスン 九九のひょう
我が家のお風呂場に貼ってあった、九九の表がこちらです。
サイズも大きめ、字も大きめで使いやすかったですね。
ひらがなで九九もふってありますので、小さなお子さんでも自分で読んで練習ができます。
こたえがでてくる! おふろでスタディ 九九
こちらはアイデア商品。
九九の答えが隠れていますが、お湯をかけるとが出てきます。
こんなのがあれば、お風呂で楽しく九九を学べますね。
九九のドリル
九九を覚えた後には算願のドリルで仕上げるのも良いですが、市販のドリルを使うのも手取り早いと思います。
2年生のかけ算(九九) (くもんの小学ドリル 算数 計算 5)
こちらはくもんの小学ドリル。2年生の掛け算をまとめたものです。
くもんのドリルなら安心感もありますね。
それに安価で入手できますので一度ご確認ください。
小学2年 かけ算九九 (毎日のドリル)
学研のドリルもお値打ち。
九九を一通り覚えたあとは、このようなドリルで実際の問題に取り組んでおけば学校でも安心ですね。
和算の世界でも九九を覚えるのは半分
今回紹介した九九の覚え方は、実は ベネッセのチャレンジ で読んだ、和算の九九の覚え方を参考にしています。
おすすめベネッセのチャレンジ「進研ゼミ小学講座」
和算の九九でも覚えるのは半分です。むしろ 12 x 12 までの桁を覚えていたらしいです。
そして割り算でも九九の様な暗記式があり、ある程度の割り算も覚えていたとか。
つまり掛け算と割り算の九九、算盤を用いることで、複雑な商計算を驚くほど正確に素早くこなしていたのが昔の日本人なのですね。
こちらはベネッセのチャレンジ2年生の付録紙「はてな?発見!ブック」の記事です。九九が日本に伝わった当初 “2 x 5 = 10” と “5 x 2 = 10” が同じであるとしていたことが書いてあります。
「九九のとなえかたに “が” が入るのは答えが 1 から 9 までのときだけ」とか、興味深いですね。
ベネッセのチャレンジには、このように子供の知的好奇心をくすぐり、学習意欲を高める記事が満載です。
勉強への取り組み・うちの子の場合
うちの子の場合は、幼稚園のころ「こどもちゃれんじ」を始め、今は「進研ゼミ小学講座」に進んでいます。
今回、九九をスムーズに覚えることができたのは、本人が多少の学習習慣が身についていたこともあったためと思います。
「チャレンジ」は毎月20日すぎに教材が届きますが、何より本人が毎月楽しみにしているのが良いですね。
翌月の中旬にはその月の課題を終わらせるようにしているので、学校の授業の予習にもなります。
何より自主的な学習習慣を、本人に負担がない範囲で身につけることができたのが良かったと思います。
うちの子の場合
最後にうちの子 ( 当時小学二年生 ) に九九を教えた時の進み具合について記載します。
始める前の学習状況
今回の九九の学習を始めた時点では以下のような状況でした。
- それまでの九九の学習は、たまに風呂に貼った九九の表を読ませる程度
- それでも渋々で、あまり乗り気でやったことはない
- おそらく、2の段まではなんとか言えるはず
- 3の段以後は全く覚えていないはず
ほっておいても、自分で覚えることはなかったと思います。
実際にやって見て
2018/5/3(木)から開始し、最初の3日だけ1日に1時間程学習しました。
その後大体一日に15分程度だったと思います。
1日目:Step1
“Step1「九九をおぼえよう」の左下半分の暗唱” に取り組む前に、まず、どこまで九九を知っているか把握するため、まず九九を暗唱してもらいました。
結果は以下のとおり
- 1の段 ⇨ クリア
- 2の段 ⇨ クリア
- 3の段 ⇨ 3 × 5 までクリア
ほぼ予想通りです。後は全くできませんでした。
しかし、表「九九をおぼえよう」に従うと残りは25問ですので、やる気が出たようで「あと、たった25!」 と喜んでいました。
「九九をおぼえよう」を見ながら覚えてもらい、覚えたと思ったら自己申告で「九九もんだい」に挑戦し、わたしが確認しました。
この日は、3の段の残りから6の段まで覚えました。
これで、残りの 7・8・9 の段合わせて6問ですが、本人が力尽きたので一旦終了。
2日目:Step1
2日目は、2から6の段を全ておさらいするところから開始。
けっこう忘れている問題がありました。反復練習して再確認をします。
案外時間がかかりました。
そして、残り 7・8・9 の段を練習します。
残りの 7・8・9 の段はあわせて6問ですので、ここでは早く終わりました。
3日目:Step1
3日目は、2から9の段全てをおさらいしましたが、やはり、かなり忘れてます。
これまでたった2日ですからね。仕方ないと思います。
時間をかけて1段ずつおさらいしては、再度確認しました。
つごう何度九九を唱えたかわかりません。
それでも最後には「九九をおぼえよう」に従って、36問の九九を全て暗唱できましたので良しとします
4日目:Step1
4日目は、3日目と同様に、2から9の段を全ておさらいします。
忘れている箇所をチェックしながら練習。
36問の九九を全て暗唱するまでに15分程度でした。
5日目:Step1 ⇨ Step2
Step1 の36問の九九を全て暗唱できました。( 少し甘い判定もあり )
Step1 は終了とし、Step2 “「九九をおぼえよう」の左下半分と、右上半分の同時暗唱ができる” に進みます。
Step2 も Step1 と同様に36問です。
Step1 が終了している状況ですが、「九九もんだい」を見ながら反対側の問題を指で示してやってなんとか言えるぐらいです。
6日目:Step2
Step2 の続きです。
ゆっくりと考えながら言わせれば、なんとか暗唱できる様子。
繰り返し暗唱してもらいます。
7日目:Step2 ⇨ Step3
Step2 をもう一度行い、続いて “Step3 九九を1段ごとに暗唱できる” に進みました。
ゆっくりと考えながら答えさせたところ、なんとか暗唱できました。
この時、1段を10秒で言うには程遠く、回答も甘いところがありますが、日々反復練習すれば徐々にはやく言えるようになるでしょう。
九九をマスターしたとは言い難いかもしれませんが、まずはこの段階では良しとすることにしました。
まとめ
少し特殊な方法ですが、うちの子も短期間で九九が言えるようになったと思います。
日々少しずつですが継続して取り組んでおり、10日目を終えた時点で Step3 をクリアし、各段を10秒で暗唱できるようになっています。
現在は ”Step4 九九を1行ごとに暗唱する” に取り組んでおりますが、もう少し時間がかかりそうです。
2019.3.7 追記
もうすぐ3学期も終わり、うちの子供も間も無く3年生になります。
おかげさまで、あらかじめ勉強をしていたかいもあり、学校の九九の授業にも自信を持って取り組めました。
また、以下の記事で子供の読書習慣について記載しています。
ご参考にしてください。
1日1冊読んでいるうちの子を本好きに育てた6つの心掛けをお話します
「九九を覚える」はすべての子どもたちにきちんと達成してもらいたいですよね。素晴らしい実践だと思います。
ぜひ一度「九九リス」にもチャレンジしていただけるとありがたいです。