僕の最寄駅の近くにバーがあるんです。
そのバーはレゲエテイストが売り?で、
お店のカンバンはラスタカラー、店の名前は “times” …だったっけ?
マスターはこれまた、ボブ風のレゲーというか、フツーです。
そんなに濃いい感じではなくて、普通の親父さん。
まあ、居心地が良いので、たまに飲みに行っていました。
ある日お店に行くといつもより人が多い、
あれ? 皆さんなんだか知った顔。
「そうか」
その日、”times” には近くの飲食店の若いオーナーや店長達が集って、
飲んでいた様なんです。
僕はカウンターの隅で、静かに飲んでいました。
しばらくすると、商店街の店長らのグループはお勘定の様子です。
すると、幹事らしいの人が、”times” のマスターに向かって言いました、
「マスターすんません、今日はつけといて」
僕の目の前にいたマスターが、一瞬固まったのを、僕は見のがしませんでした。
その時のマスターの目、とても寂しそうだったんです。
でも、つぎにマスターから出てきたその声は、その表情とは違うものでした。
「ゥオッケーーィ!」
張りのある太い声でした。
忘れません。
マスターの頑張り、大人の対応。
忘れません。
でも、お腹から出した太い声とは裏腹に、マスターが寂しそうな目をしていた事。
忘れません。
ありがとう、マスター